逢燦杰極譚へ行ってきたおはなし

ご無沙汰しております、寿です。

先日は芸能山城組AKIRA公演 『逢燦杰極譚(アキラじぇごぐだん)』を観に中野へ行って参りました。

この公演、実は昨年2020年に公演予定だったのですが当時のコロナウイルス感染拡大の煽りを受けて延期に延期を重ね遂に今年に公演が行われたというものでした。

当日、私はクラウンのメンバーモチーフを入れた服装で赴きました(前夜に無駄に頑張ってしまいました)。会場に着くと作品にちなんだTシャツや金田バイクのモチーフアイテムを取り入れた格好のAKIRAファンの方達がたくさん居て、恐らく彼らの多くも待ちに待った1年越しの公演に同じ思いを抱いていたに違いないでしょう🫀

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

寿 濤杞-KOTOBUKI NAMIKO(@735_namiko_)がシェアした投稿

定刻通りの開演、第一章がはじまりました。邂逅覚醒と題された第一章ではいかにしてAKIRAの世界にジェゴグの音が鳴り響くに至ったのか、そのきっかけとなった楽曲の演奏を聴き(敬称略)大友克洋と山城祥二とジェゴグが結びつく瞬間を追体験することとなりました。

第二章ではそんなジェゴグについて、楽器の解体を交えつつ歴史などを知る場となりました。またジェゴグに施されている装飾の彩色・造形ともに素晴らしいもので、遠くから見ていてもとても美しく本来ならば間近で見られたかもしれなかったそうですが、感染対策のためそれだけは叶いませんでした、残念…。

画像引用元 : http://graphic.nobody.jp/irom/gakki/gakki_jegog.html

ちなみに劇場版AKIRAの劇伴で使用されているこのジェゴグという楽器(細かく分けると呼称が違うそうですが総じてジェゴグと呼ぶそうです)、元々はバリ島の伝統楽器だそうです。

そんな劇伴での芸能山城組が使用するジェゴグでは音域を広げるために鍵盤数を増やすなど若干の改造がなされているそうで、説明を聴きながらなんとなく金田らの改造バイク達に思いを馳せてしまいました💭🏍

気がつけば待ちに待った第三章、逢燦杰極。押し寄せるジェゴグの音とラッセラーの掛け声が会場の中を包み込んだ瞬間は鳥肌が立ち感極まって涙が出そうになりました。「〈祭り〉と〈レクイエム〉という対極的な2本の柱」でこの曲が作られていると解説を聞いた時は黒澤明のオムニバス映画「夢」の“水車のある村”を観た時に似た(恐怖とは違う)ゾクゾク感を感じました。

ちなみに劇伴で個人的に1番好きなのが「クラウンとの闘い」の曲なのですが、あの特徴的な息遣いの表現はエチオピアのゲレ人の祈りの声やケチャのリズムなど異国同士の要素が混ざり合って作られているそうです。自分がアート表現をする際に心の根底においているテーマのひとつと近いものを感じて聴いている内に久しぶりに創作意欲を掻き立てられました。

宇宙から地球へ、そしてネオ東京の街を駆け抜ける一時の幻想体験のような時間はあっという間に過ぎて行きました𓈒𓂂𓏸

公演終了後は会場内は大きな拍手に包まれ最後のご挨拶の場では涙を流されているシーンもあり、この1年間、困難を極めたであろう練習環境やこのご時世への不安など色んな思いの中、沢山の努力とご苦労をされてきたと思うと今回こうして開催していただけたということに感謝の気持ちでいっぱいでした。

舞台に人が居なくなってからも鳴り止まない拍手はこの1年間の沢山の願いや思いが詰まっている様な気がして最後に演奏された未来(レクイエム)の余韻も相まり非常に印象的でした。

(戦利品)

-AKIRAは私が高校生の時に出会った作品でした。近所のビレヴァンで『なんだこのデカい漫画本は』という第一印象と好奇心で手に取ったのをきっかけにスッカリその世界に夢中になってしまいました。

連載や映画上映のリアルタイム世代ではなかったものの大学時代には原画展やポスター展、そして今度は芸能山城組の公演に行けるなんて、遅くして出会ったにも関わらずこんなにもイベントに参加出来ることを幸せに思っております。

(影響を強く受けていた高校時代のイラスト、載せるのは中々に恥ずかしいが…)

そんな感じでどんどん締まりが悪くなってきたので今回はこれにて終わりにしたいと思います。

それではまた次の記事でお会いしましょう、寿でした。